SOUL SMOKERS INC.
プロフィール

L.A.SEIS

Author:L.A.SEIS
FC2ブログへようこそ!



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

BLACK MILK & FAT RAY/THE SET UP
BLACK MILK & FAT RAY/THE SET UP

名作コンピ「CALTROIT」も好調なデトロイトの至宝・BLACK MILKが、リーダー作「POPULAR DEMAND」収録の「Watch Em」でも相性の良さを披露済のFAT RAYとがっぷり四つに組んだタッグ作、「THE SET UP」をリリースしました。
それにしても、遠目だと二人がHEAVY DとPETE ROCKに見えて仕方がありません(ご丁寧にもFAT RAYが着ているスタジャンにDのワッペンが付いていたりするし)。だからといってこじつけるわけではないのですが、昨年あたりからのBLACK MILKは、グループ作と並行して外部発注でも神がかり的な仕事を連発していた時期のPETEを思わせるほど制作に意欲的、かつそのクオリティにも間違いがない。名前と見た目を裏切らないファットなラップが持ち味のFAT RAYともども、(特に)往年のヒップホップ・ファンへのアピールは盤石ではないかと思います。尚、発売元は信頼のブランド・FAT BEATSです。

いなたいエレキギターがオケをグイグイ引っぱるファンキーなロックチューン「Frawless」で、のっけからテンションが上がりますが、続く「Lookout」がそれに輪をかけてヤバイ。
荘厳な中近東系コーラスが鳴り響くイントロから一転、定位をフル活用した立体的プログラミングのドラム+パーカッションが繰り出されるメインループにつながる展開からして鳥肌モノですが、音程のない残響音を中心に据え、その上にうっすらとウェーブシンセを重ねたり、時折SPANK ROCKやM.I.A.などのプロダクションで使われそうなブッ太いアナログシンセを挿入したりと、ディテイルも計算し尽くされたトラック構築は完全にネクストレベル。あー、この曲マジで鬼だわ...12インチが出たら買い直そう。
さらに、ドラムのキメを多用した勇壮なループと漆黒のデトロイト・グルーヴの合わせ技が見事な「Take Control」、
エレピを前面に押し出したフュージョン風味のトラックにマシンガン・ラップが乗っかる「When It Goes Down」、
疾走感溢れるハーコー・トラックに差し込まれるスクラッチがナイスな「Ugly」(ロックなベースもイイ感じ)などは、もはや余裕を感じさせる出来映え。

しかし、クセ者BLACK MILKのこと、当然それだけで終わりではありません。
僕がこの人に惹きつけられる要因の一つとして、程度の差こそあれ、毎回作品に何かしらの実験性を付加する点が挙げられるのですが、「THE SET UP」におけるテーマは、さしずめ“フリップ”と“ロック・ドラム”といったところでしょうか。この二点については非常に意識的に音作りを行っていると思うので、念頭に置きながら聴くと色々発見があって面白いです。
バタついたドライなドラムと細か~く刻んだネタ処理が劇的にカッコイイ「Not U」を始め、
これまたMADLIBが用いそうなロウなドラムと、デジタル・エラーが生じたかのようなねじれまくったループが異空間な「Get Focus」(客演はPHAT KATとELZHI...ドープ過ぎる!)などは、その最たる例。
が、個人的に一番ブッ飛ばされたのは、その名も「Outro」のトラック。なぜこのクソヤバビートがアウトロ...?思わずMARVIN GAYE「I Wanna Be Where You Are」を初めて聴いた時の“えぇ~!?”という感覚を思い出しました。低音ストリングスをサブリミナルにチョップし、新たな音色を作り出すという手法はかなり斬新で、聴き応え十分。ウーアー声やクリック・ノイズ(!)といったパーツも実に効果的で、どうしてもラップ入りのフル尺ヴァージョンを聴きたくなってしまうところですが、“この程度のビートならいくらでも作れるよ”、ということなんでしょうか...恐ろしいです。

アウトロとボートラを含めて11曲と小品ながら、それを理由に素通りするのはあまりに惜しい作品です。例によってビートありきの話をしてきましたが、今風のフロウも随所に取り入れたBLACK MILKと、不器用ながら熱さを感じさせるFAT RAYの掛け合いはやはりスリリング。中でもGUILTY SIMPSONを迎えた「Bad Man」は、ことラップに関して言えばアルバムのハイライトかも。
ビート/ラップともにありきたりな企画モノとは一線を画する「THE SET UP」。試しに何曲か聴いてみれば、明らかに違いを感じることができる...ハズ。
スポンサーサイト

テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

BLACK MILK/CALTROIT
BLACK MILK/CALTROIT

デトロイト・ヒップホップ新世代の象徴・BLACK MILKが、自らの名前を冠したコンピレーション・アルバムを編纂(元々はBISHOP LAMONTと連名で制作され、ミックステープ・アワードなども勝ち取っている秀作の新装版です)、その内容が、「POPULAR DEMAND」のアウトテイクを含んでいるとは思えないほど素晴らしい。
STAT QUO、SLUM VILLAGE、RAS KASS、ROYCE DA 5'9''、GUILTY SIMPSON、BUSTA RHYMES、PLANET ASIA、MISTAH F.A.B.、KARDINAL OFFISHALL、TRICK TRICK...(順不同)と、参加メンツに目をやれば、有名どころだけでも鼻血ブーな豪華さ。
さらに、“これぞBLACK MILKビーツ!”な曲のオンパレードであるにもかかわらず、実は収録された全18曲のうちちょうど半分にあたる9曲が外部プロデューサー(DJ KHALIL、FOCUS、MR.PORTER、JAKE ONEなど)の手によるものだという点もミソ。「CALTROIT」からは総じて明確な方向性が感じられるので、結果としてBLACK MILKのトータル・プロデューサーとしての力量を再確認させられることに。ラッパー/プロデューサー達の適材適所な配置を見ても、これは見事なホストっぷりと言えるのでは。

まず、アルバムの冒頭を飾る「Murder Hextro」~「Caltroit」の流れからして、とにかくカッコイイ!
硬質なビートと重厚なピアノが曲全体をけん引していくところは完全にドレ・マナーですが(特に後者は、ステレオに散らしたドラムやストリングスの入り方などが実に“らしい”感じ)、完成度が高いので何も文句は言えず。
デトロイトとカリのアーティストが持つ感性の近さはSHADYとAFTERMATHの関係などにも顕著ですが、ハイハットで細かく時間を刻まず、独特の浮遊感を作り出す手法はやはりデトロイトならでは。最終的に、それが作品に統一感を持たせる要因(の一つ)となっているような気がします。
加えて、小刻みに揺れるシンセが脳髄を刺激する「On Top Now」や、エレピの音色がメロウさとシリアスさを巧く共存させる「Inconvenient Truth」といった曲も、それぞれフックがまんま50 CENTだったり、雰囲気がモロにG-UNITっぽかったりするのですが、亜流と言ってしまうのがためらわれるほどクオリティは高い。

さらに、西海岸のアングラ・ヒップホップを地で行くようなドープビートにワウギターを絡めたトラック、PLANET ASIAにMISTAH F.A.B.というズバリな人選もナイスな「4 All My Niggaz」、
トライトンを使い倒していた頃のスウィズを思わせる感覚的トラックに、名手RAS KASSが意外な相性の良さを披露する「I Need It」、
ソウルフルなピアノが美しい歌モノ「Not The Way」と、後半にかけても良曲が続きます。
また、注目すべきはBLACK MILK自身が新機軸といえるビートを提供していることで、当然ファンは要チェック。
非ブラックミュージック的な旋律が哀感をかもし出すコズミック・グルーヴ「Bang That Shit Out」や「Everything」、
ネタのストリングスの組み立てに非凡なセンスを感じさせられる「Ape Shit」などのような曲は今まであまりなかった感じで、今後の活動の布石となるかも。
バスタ、GUILTY SIMPSONというアクの強いゲストに配慮したのか、珍しく電子音主体のミニマルなループが用意された「Mouth Music」では、一番活き活きしているのは主役のヴァースだったりして...絶好調です。

シングルカットされてもおかしくない曲がいくつも並ぶので、ベストトラックは選べません!ミックステープ、というかストリート・アルバム的立ち位置の手作り品(曲間も全然調整されてなかったりするし...作り込まれた感は皆無に等しい)にしては、驚異的なクオリティだと思います。
バスタやKARDINAL OFFISHALLのような、良い意味で地域性を感じさせないMCとの絡みもイイ感じだし、今年の夏にリリースが予定されている次作「TRONIC SUMMER」が俄然楽しみになってきました。どうか延期だけはしませんように...。

テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

GUILTY SIMPSON/ODE TO THE GHETTO
GUILTY SIMPSON/ODE  TO THE GETTO

僕はBLACK MILKのおかげでJ DILLAの喪失感に耐えることができたタイプの人間なので(「POPULAR DEMAND」は2007年のベスト作だと思ってます)、デトロイトのヒップホップは今がアツイ!とも強く感じています。
というのも、J DILLAの死後、彼~SLUM VILLAGEコネクション―BLACK MILKやYOUNG RJを筆頭にFRANK N DANK、FAT RAY、NICK SPEED、共演レベルではBUFF 1やFINALE & SPIER 1200など―間における行き来が目に見えて活発となり、そこにDABRYEやWAAJEED、TA'RAACHのようなヒップホップのフィールドにとどまらないクリエイター達の存在を併せて考えることで、最新のシーンの姿が明確に見えてくるからです。

そんな中、長らくフルアルバムのリリースが待たれていたGUILTY SIMPSONが、STONES THROWから「ODE TO THE GHETTO」をリリース。この人は初出がJAYLIB「CHAMPION SOUND」収録の「Strapped」だったハズなので、実に5年越しのソロ・デビューというわけです。イイですねー、今のご時勢にこの叩き上げの苦労人っぷり。
GUILTY SIMPSONのヤバさはBLACK MILK「Sound The Alerm」のセカンド・ヴァースなどを聴けば明らかなので今さら説明は不要だと思うのですが、彼や故J DILLA、MR.PORTER(D12周辺も忘れてはいけません)に加えて奇才MADLIB、OH NO、DJ BABUら西海岸コネクションが参加したプロダクションは、さながらアンダーグラウンド・シーンのベスト布陣といったところ。厳選されたゲスト(BLACK MILKとのコラボ盤も楽しみなSEAN Pなど)を含め、クレジットを見るだけで震えがきます。

序盤こそミニマル、悪く言えば地味な曲が並ぶので(STONES THROWの作品はこういう構成のものが多いような気が...MADLIBのビートもERYKAH BADUの新作のアウトテイクみたい)、リスナーはGUILTY SIMPSONのラップと対峙することを求められますが(狙い通り?だとすればそれはそれで聴き応えアリ)、DR.DREマナーの硬質なビートとフックで鳴らされる勇壮なホーンに血が騒ぐ「Get Bitches」からスイッチ・オン。
続く「I Must Love You」は貴重なJ DILLAの遺作の一つで、今回は哀愁全開モード。特徴的な、キックとスネアが強調されたドラムにファットなシンセ・ベース、賛美歌のようなコーラスの組み合わせがドープ。
極めつけは、MADLIB制作の「The Future」!この曲相当ヤバイです。イントロ部分の、フュージョン+メタルなループもまさにマッドですが(サンプリング?ネタ元がわかる人がいたら教えて欲しいです)、キックの乱打と鬼気迫るホーンに主役のハードなラップが絡むメイン部分のカッコ良さは失禁モノ。打ち込み自体はJUST BLAZEあたりが得意としそうな手法ですが、MADLIBの音は“いつものアノ感じ”なので、生々しさがハンパじゃない。この人のトラックに関しては、“オモロイなぁ”と感じることは多々あれど、クラブで聴いてみたいと思ったのはこの曲が初めてかもしれないです。CLIPSE「Grindin'」っぽい武骨さのある「Pigs」もナイスな仕上がり。

我らがBLACK MILKも負けじと3曲で活躍。
J DILLA直系のラフな打ち込みに独自のスペーシーな音使いが映える「My Moment」,
歪んだギターがラテンな音階を奏でるヘッドバンギング・チューン「Run」(この曲はドラムの抜き差しもサイコー),
ループとは別の場所で鳴らされているようなスネアの空間処理に耳を奪われる「The Real Me」と、どれも盤石の出来。この独創性には毎度の事ながら惚れ惚れします。

GUILTY SIMPSONを媒体としてデトロイト・ヒップホップとSTONES THROW双方の良いところを抽出したようなこのアルバム、メインストリームとはかけ離れたところに位置づけされるんでしょうけど、オリジナルかつフレッシュと形容できることは間違いありません。まだまだヒップホップで驚きたい人にはオススメです。
それにしても、今年に入ってからBLACK MILK絡みの音源が立て続けにリリースされていますが、ハズレがないのがホントに恐ろしいです。自身の名が冠された作品だけでも、コンピ「CALTROIT」やFAT RAYとのダブルネーム盤「THE SET UP」と、圧倒的なクオリティ。
この辺についてはまた後日...。

テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。