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THREE 6 MAFIA/LAST 2 WALK
THREE 6 MAFIA/LAST 2 WALK

ここ何年かは、自分の中でHYPNOTIZE MINDS関連作が出る→即購入、という流れが完全に出来上がっているので(特に奇才・PROJECT PATとFRAYSER BOYは鉄板)、本隊THREE 6 MAFIAの新作『LAST 2 WALK』リリースの延期に次ぐ延期には心底ヤキモキさせられましたが、UGKにせよLIL WAYNEにせよ、絶好のタイミングを見計らって発売された大物の作品がいずれもクラシック級のクオリティを誇っている事もあり、期待に胸を膨らませていたのですが...ようやくです!!!

曲目を見てみると、けっこう気に入っていた『Doe Boy Fresh』が収録されていない事に気づき、“アレっ?”と少しイヤな予感が。ビッグネームになればなるほど、先行カットのレスポンスによってアルバム全体の制作を仕切り直すというやり方はよく行われますが、なんだかんだで『MOST KNOWN UNKNOWN』の勢いのまま、周りの流行など意に介さずに独自のマフィア道を突き進むとばかり思っていたので...。
まぁ、HYPNOTIZE MINDS絡みの作品は基本的に外さないので、大将ともなればその内容の良さは言わずもがなですが、一通り聴いてみて、『LAST 2 WALK』はどちらかと言うと『DA UNBREAKABLES』タイプのアルバムだという感想を持ちました。
僕はTHREE 6 MAFIAの作品には二通りのタイプがあると思っていて、一方は『DA UNBREAKABLES』のように、アルバム全体を通じての完成度が尋常ではない、いわゆる“捨て曲ナシ!”なもの、もう一方は『CHAPTER 2-WORLD DOMINATION』でいうところの『Tear Da Club Up』や『WHEN THE SMOKE CLEARS』でいうところの『Weak Azz Bitch』のような、バラつきはあるものの特大のボム・シットがいくつか収められているもので、新作は前者に該当するような気がします。単純に好みだけで言えば、僕は断然メリハリがあってスリリングな後者を支持するのですが、ほとんどの曲が一定以上の水準をクリアしているというのは、当たり前ですがそれはそれでスゴイし、聴き応えがあります。

JUICY Jがいつになく冴えたラップを聴かせる『I Told 'Em』に始まり、
奇才・PROJECT PATのド変態ラップが堪能できるヘッドバンガー『Trap Boom』、
ZOMBIE NATION『Kernkraft 400』でオナジミのフレーズでテクノ・ファンも昇天確実な(?)『I Got』(後半の展開もニクイ)と、冒頭からテンション高め。
細かい話ですが、今回はハットが32分刻みの曲が多いです(上の3曲ともそう)。個人的には、D.J. PAUL & JUICY"J"がプロデュースするトラックの場合、ヴァース部分でハットが8分刻みから16分刻みにスイッチングする瞬間がたまらなく好きだったりするので(ファンなら絶対わかるハズ!)、これが今後の主流になったら嫌だな...とか思ったり。
ハイライトは、AKONが参加した『That's Right』でしょうか。この曲でのAKONのパフォーマンスは、最近客演した中ではベストなんじゃないかと(メロディーもすごくイイ)。BPMも、本来マフィアが最も得意とする辺りなので、安心して聴けます。
他にも、シリアスなストリングス使いとタイトルをひたすら連呼するフックが“らしい”感じの『Weed,Blow,Pills』は、ヴァースをスクリュー仕様にしてしまったり(オケも加工しているので、音程の変化がアクセントとなっていて面白いです)、
LYFE JENNINGSがフックを歌う『Hood Star』は曲の透明感が妙に新鮮だったり、今回は色々やってます。
GOOD CHARLOTTEを迎えた『My Own Way』も、最初は話題作りかと思いましたが、実際は楽曲として非常にレベル高し。クセのある歌い手とのガチンコ勝負が多いのも、『LAST 2 WALK』の特徴の一つかもしれません。
加えて、緊迫感のあるシリアスな雰囲気、特徴的なドラムの打ち込み、明快なチャントなど、100%マフィア印な『Get Ya Rob』のような曲もあるので、古参のファン/『MOST KNOWN UNKNOWN』以降のファンともに、けっこう楽しめる作品に仕上がっているのではないでしょうか。

僕的には、奇才・PROJECT PATが大活躍しているのが相当ポイント高いです。ボートラとイントロ/アウトロ、スキットを除く全16曲中、5曲で姿を見せる弟君ですが、この人のラップが入ると曲の空気が変わります。CRUNCHY BLACKの脱退によって、予想以上に(ラップ方面での)戦力がダウンしているので、この際、鬼才を第三のメンバーとして迎え入れるのもアリなのではないかと思ってしまいました。正直、DJ PAULとJUICY Jのラップに昔のようなキレが感じられなくなってきているので(それでも十分カッコイイですが)、まだまだ伸びしろタップリな天才が加わったら...考えるだけで興奮します。

ちなみにですが、シングルにもなっている『Lolli Lolli(Pop That Body)』は、フツーにダサイと思いました。オケヒットを使ったりしているのは面白いけど、それだけ。
マフィアはオートチューンものに手を出して欲しくなかった...というのが率直な感想で、コンポーズ能力に長けたT-PAINと比べると、ただ使っているだけという印象を受けるのが残念。
色々と新しい事に挑戦しようとするのはアーティストの性なんでしょうが、マフィアに関しては、“愛すべきワンパターン”でい続けて欲しいという気持ちがなきにしもあらずです。
あとは、次のアルバムに向けて、これから一発ボムが欲しいところ。良い作品だとは思うのですが、今回はやや不完全燃焼な感が否めないのも事実なので。
アウトロでアナウンスされている、両者のソロ・アルバムのリリースは本気なのか!?果たして...。
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テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽


この記事に対するコメント

今回はあまりやる気がないような気がしてアルバムまだ聴いてませんが…Project Patの方が兄ですよー。
【2008/07/18 01:40】 URL | YUDT #- [ 編集]


>YUDTさん
エーッ!そうだったんですか、お恥ずかしい...。というか、今まで気づく機会がなかった事にビックリです^^;

やる気はあるのかもしれないですけど、空回りしている感がありますねー。トレンドの取り入れ方が微妙というか...。
【2008/07/18 12:20】 URL | L.A.SEIS #- [ 編集]


>AEMaethさん
なぜかコメントが消えてしまいましたが...ちゃんと読みましたので!

正直、期待感が大きくなりすぎた印象もありますね~。最初にアナウンスされたタイミングでリリースすれば良かったような気も...というか、その前後のアウトテイクが非常に気になります。

でも、買って損はないと思いますよ!廉価版も出てますし。
【2008/07/18 12:25】 URL | L.A.SEIS #- [ 編集]


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